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『フタバから遠く離れて』より抜粋
2013 / 02 / 02 ( Sat )
舩橋淳監督著の、同名本『フタバから遠く離れて〜避難所からみた原発と日本社会』
(岩波書店2012・10)
フタバ本IMG_2357

このドキュメンタリー映画はもともと3時間という長時間のものだったのです。初めて上映されたのは、騎西高校の避難町民を対象にした上映会でしたが、そのときも3時間版だったそうです。それくらい、伝えたい内容の濃いものですが、これを1時間半に圧縮したものが、現在公開されている映画です。

この映画を同名本とともに観ると、いっそう監督の意図するものが迫ってきます。

明日、1575円のところ、1500円で販売します。数量は限られています。

本当はもっとたくさん紹介したいところがあるのですが、『フタバから遠く離れて』(舩橋淳著)より1部を抜粋して紹介します。

 恥ずかしながら私は福島原発で発電される電力がほぼ100%関東圏に送られ、そこで消費されていることを知らなかった。そして、目の前で避難生活を送っている双葉の人々は、その電気を作る側の人々で、我々の電気のためにこんな憂き目に遭っている。このことが私の脳裏にずっとひっかかり続けた。東京の人間が自分たちの電気のために被害に遭うのであれば、まだ話はわかる。しかし、まったくの遠隔地の人々が割を食っているのだ。沖縄基地問題、原発立地問題に共通する「犠牲のシステム」にはまだ考えが至らなかったものの、事態の不平等さだけははっきりと意識され、気持ちが悪かった。私は、最低限、この不快感の正体を明らかにするまでは撮影を続けなければならない、と考えた。


 海岸線すぐ近くに家があった矢内さんは、迫り来る津波を長男が間一髪で気付き、車で避難した。バックミラー越しに盛り上がってくる「波の山」を見ながら、地震で陥没した道を懸命に逃げた。まさに『着の身着のまま」であり、今そのボール箱の棚の上に並べられている「私物」はみな、ここの避難所に入所した後物資支給により貰ったものだそうだ。
 自分の持ち物を何から何まで失ってしまうとは、どんな思いがするだろう、と私は思った。大災害か、戦争に巻き込まれない限り、近代では個人の所有物がすべて引っ剥がされることはあり得ない。自分の手元にまったく物がないという理不尽さを受け入れることなど、そう感単にできないだろう。この「何も持たない」感覚を、見る人が我が事として感じられるよう、映画を作り上げることが鍵となる、と直観した。


 町長は議員に根回しをし、2007年双葉町議会で凍結解除の決議にこぎ着ける。公式に、7・8号機の受け入れ・建設のGOサインが出され、町は40億円の交付金を手に入れた。その新規原発二基は、5・6号機のすぐ横の敷地に2011年4月に着工される予定となっていた。
 東日本大震災が起きたのは、その建設開始のほんの一ヶ月前の事だった。
 町長はふと振り返るように、私に漏らした。
 「しかし、それも遠い話。今は、原発の功と罪について深く考えるようになりました」
 町の財政を救うため、やむを得ないと判断した原発増設。それは正しかったのかどうか、問いを反芻し、考えられているようだった。


 2011年12月16日、野田総理は原発事故収束を宣言した。
 多くの人があきれ果てたと思うが、私もその一人であった。現実とあまりにも乖離している、あからさまなパフォーマンス。決定的に誠実さを欠くその言葉を聞くうちに、だんだんと怒りがこみ上げてきた。
 このとき、私は双葉町のドキュメンタリーをまとめようと思った。
 この収束宣言の荒唐無稽さに接し、避難所の現実がいかに厳しいものであるのかを、世界に見せるべきだと強く思った。


 人々の毎日の生活に寄り添うことで、彼らの痛みをそのまま捉えたい。表面を舐めるだけのトラッキングショットではなく、一つの場所に留まり、彼らの時間の重みを共有してこそ、人間的な痛みが共有できる。そこでは、いちいちナレーションで説明されなくとも、見たらわかる。できるだけ純粋な形で避難所の時間に、見るものが没頭してゆくプロセスを作ろうと考えた。


(手入力なので、誤字があればご容赦)
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コメント
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映画見ました。福島の人の善良さに懐かしさを覚えた。避難先での生活は経済面だけでなく精神面でも困難をともなうだろうと思った。電機の消費先の話ですが、新聞に書かれている復興とは被災者の生活ではなく、都市(東京)の消費のこと、被災者から利益を得てはいけない法律とか作れませんかね。。
by: towns * 2013/02/03 20:24 * URL [ 編集 ] | page top
--管理人のみ閲覧できます--

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * 2013/02/03 21:44 * [ 編集 ] | page top
--Re: 映画会 ありがとうございます!--

ありがとうございました。

>「デモに行くのはチョット・・と言う人はとても多いです」

そうですね。その感覚に見合うやり方をしないと、どんなにいい事をやってても広がらないのですよね。
もっと工夫を、発想を柔軟に、していきたいと思います。

今後とも宜しくお願い致します。 (^_^)
by: いらんちゃ * 2013/02/03 22:35 * URL [ 編集 ] | page top
--Re: タイトルなし--

towns 様

ありがとうございました。
まだまだ真実が語られていない(隠されている)し、私たちも知らない(知ろうとしない)し。
どこが悪いと言うだけでなく、自分たちが何をやれば多くの人に知ってもらえるかの、努力が必要かなと思いました。
by: いらんちゃ * 2013/02/03 22:40 * URL [ 編集 ] | page top
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